ご覧ください。このラクダは空を仰いで鳴いています。背が高く、威厳があり、元気いっぱいです。駱駝の二つのこぶの間には、動物の顔が細かく刺繍された革袋が掛けられ、左右には水筒や絹織物などが振り分けられています。わずかに前のめりになった姿勢は、まるで次の一歩を踏み出そうとしているかのようです。
この三彩駱駝は大きくて構造も複雑です。まず型で成形してから組み立てて作ります。全体的に滑らかでバランスもよく、調和がとれており、生き生きとした自然な姿をしています。素焼きした後、頭頂部、二つのコブの上、首の内側、足の長い毛などは陶胎の白い土をそのまま残し、その他の箇所には茶色、白、緑色の釉薬を掛けます。釉薬は低温で焼く間に色の濃淡が変化します。流れて混ざり合い、沁み込み馴染み、多彩で明るく、なめらかで、豊かな色合いになります。「唐三彩」は色の相互反射の中でその素晴らしい芸術的魅力を放ちます。
唐代のシルクロードはキャラバンの交流が盛んで、商人たちは「砂漠の船」と呼ばれるラクダを使って各地を行き来し、さまざまな物資を運んでいました。商業貿易の流通は、中国と西洋の経済的繁栄と文化交流を促進しました。中国と西洋の文化が融合する生活現象は、唐代のお墓から発掘された埋葬品の人形の様々な姿を通して垣間見ることができます。唐代の「三彩駱駝」はその代表格です。この大型のリアルなラクダの置物は、優れた「三彩工芸」の職人が持つ技量と、唐代の交易路の繁栄、そして全盛期の大唐文化の精神を形にしています。