動物の顔の玉の飾り物?!これが動物の顔だと一目見てすぐにわかりますか?
まず真ん中の四角い穴を見てください。両側に楕円形の目があります。眼の上にある曲がった眉毛は上向きに翅上がり、目の淵から尖った角が下に伸びています。これは牙のようにも見えますね。下がわの長くてまっすぐな部分は高い鼻なのでしょうか?それとも舌を出しているのでしょうか?!このような曲線や幾何学模様で描かれた、実際何の動物の姿なのか識別できない模様を、獣面紋(じゅうめんもん)あるいは饕餮紋(とうてつもん)と呼びます。
この玉は河南省輝県の琉璃閣甲墓から出土しました。独特な形をした珍しい物で、裏面には文様がありません。門の扉にはめ込まれていたドアノッカーのデザインによく似ています。ドアノッカーは正面を向いた動物の顔をしている物がほとんどです。通常トラやライオン、或いは饕餮(とうてつ)のような想像上の動物等、凶暴な動物の顔が多いです。家の入り口に付けて、邪気を払うのに使われます。このため学者たちは、これが初期の玉製のドアノッカーの可能性が高く、また春秋時代の玉がアクセサリー以外にも使われるようになった用途の変化を示唆しているのではないかとも見ています。