傳承・歴史博物館の設立と文化財の収蔵
この博物館は中華民国政府が台湾に渡ってから初めて設立した国立博物館です。1955年、国は歴史的遺物の収蔵と展示を通じて歴史および美術と芸術の教育を促進することを目的とした「国立歴史文物美術館」を設立しました。しかし、設立当時は収蔵物がなかったため、収蔵品よりもコンセプトが先に出来上がったものだったと言えます。
1956年に、博物館は重要な文化財を2回にわたって受け取りました。1回目に移管された文物は、日清戦争以来、日本が中国から大量に略奪した古典遺物で、日本の敗戦後、日本から中華民国政府に返還された品々です。歴史的、芸術的に優れたものばかりです。2回目に移管された文物は、もとは河南省博物館に保管されていた品々で、日中戦争や中国で起こった国民党と共産党の内戦を逃れて台湾に運ばれた文物です。この2回の文化財台湾移管が、歴史博物館のコレクションの基礎を築きました。そして同年「国立歴史文物美術館」は「国立歴史博物館」と改名され台湾歴史教育の重要拠点の一つとなりました。
本展示館には、歴史博物館に収蔵される先史時代の彩色土器、青銅器、唐三彩、甲骨、玉器、磁器、宗教文物などの国宝、重要古遺物、古典文物が展示されています。数十年にわたり、これらの文化遺物は国内の学者によって研究、展示されてきただけでなく、外交使節としての重責も担ってきました。台湾の国際的な知名度を高め、台湾の芸術と文化の発展に貢献してきた品々なのです。