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青白釉觀音像暨佛龕 せいはくゆうかんのんぞうきぶつがん
元時代|瓷器
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この長方形の磁器のブロックは表と裏の両面が内側にくり抜かれており、石窟のような仏像やお経を安置する厨子「仏龕(ぶつがん)」になっています。正面の厨子には観音像が納められています。観音様は右足を曲げて、左片足を胡坐かいた姿で蓮華座(れんげざ)に座っています。両手を軽く膝の上に置いて、厳かな中にも安らかにくつろいおられる様子がうかがえます。観音像は王冠とビーズのネックレスを身に着けており、背景には雲が見えます。

裏側には厨子の中に2体の少年像が見えます。少年の周りの装飾や服装は観音像に比べてはるかにシンプルですが、それでも精緻で繊細です。横の少年像のたたずまいは特に生き生きとしていて、まるで誰かに呼びかけているかのようです!

元王朝時代、景徳鎮窯で焼かれたこの種の観音像は非常に品質が高いです。成形には型と「手捏ね(てづくね)」と呼ばれる手とへらだけを使った方法が使用されています。この作品からは「手捏ね」の部分が非常に繊細で精緻であることが分かります。

人物の頭、顔、手足、雲はすべて青白い釉薬が掛けられています。青白い釉は北宋時代に景徳鎮で開発された新製品で、宋と元の時代に非常に流行しました。この「佛龕(ぶつがん)」の釉薬の色と表面の装飾は元王朝時代の青白磁器の特徴を示しており、美しい彫刻と合わせて、文化的芸術的研究価値が非常に高い作品と言えます。

青白釉觀音像暨佛龕 せいはくゆうかんのんぞうきぶつがん .
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青白釉觀音像暨佛龕 せいはくゆうかんのんぞうきぶつがん
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